SDGsの取り組み

世界を変えるための17の目標「SDGs」とは

 SDGsは、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略で、2015年9月に国連サミットで、150を超える加盟国首脳の参加のもとに合意されました。「誰一人取り残さない世界」の実現に向けて、2030年までに「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」などの17の目標と各目標の内訳となる169のターゲットが掲げられています。

 「誰一人取り残さない世界」の実現に向けて、2030年までに「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」などの17の目標と各目標の内訳となる169のターゲットが掲げられています。


持続可能な農業を目指して
-私たちができること-

1.農薬を減らし、有機肥料を使用する。

 昔ながらの農業では、動物の糞尿や枯れ草などを微生物が分解することで、作物の肥料となっていました。

 しかし近代に入り、化学肥料が使われるようになると、土の中の微生物が減っていくことで土地が肥料分の少ない痩せた農地になっていき、より一層化学肥料に頼らなければいけなくなっています。さらに、土壌微生物が減ることで作物の病害虫が増え、農薬の使用量も増やさなければならなくなるという悪循環に陥ってしまいます。また、化学肥料のほとんどを輸入している日本において化学肥料に頼った農業では、続けていけなくなるかもしれません。

 そこで私たちは農薬を減らし、有機肥料を使用する (農薬を栽培期間中不使用、化学肥料を栽培期間中不使用の) ほ場を増やす取り組みを行い、持続可能な農業の実践しています。


2.アイガモ農法

 私たちはアイガモ農法を取り入れています。アイガモのヒナは田んぼの中を泳ぎながら雑草や害虫を食べてくれます。人の手も必要になりますが、アイガモ農法では除草剤や殺虫剤などの農薬の使用を無くすことも実現することができます。

 また、アイガモの糞尿が有機肥料として田に供給されますので、 農薬を使わず、有機肥料を使用するほ場を増やす取り組みととても相性が良位です。アイガモ農法は、自然豊かないすみの土地を守っていくことにつながると考えています。


3.いすみ米のおいしさを消費者に知ってもらう

 いすみの田んぼは粘土質で肥沃な土壌であり、おいしいお米を作ることができます。そのおいしさから、いすみ米は皇室献上米として選ばれ、千葉の三大銘柄に数えられています。

 しかし、いすみ米が全国的に有名かと言われるとそうではありません。どれだけおいしく、農薬や化学肥料を使わない安心安全なお米を作ったとしても、消費者にいすみ米のおいしさを知ってもらい食べてもらわなければ生産する意味がありません。 また、いすみ米だけでなく農業を未来へつなげていくためには子どもたちにその魅力を知ってもらう必要があると考えています。

 子どもたちに知ってもらうにはその親が安心して子どもに食べさせたいと思えるお米を作るべきだと考えています。それが、 農薬を減らし、 有機肥料とアイガモを使ったお米を作ることにつながっているのです。いすみ米のおいしさと農業の楽しさや魅力を知ってもらう取り組みとして、親子での田植え体験や稲刈り体験を企画しています(詳しくはこちら) 。

 この企画を通じて農作業を体験し、いすみ米を食べてもらいたいと考えています。さらに、「安心安全アイガモ食堂」でおにぎりおにぎりを提供し、 いすみ米を食べることができる拠点を作りたいと考えています。


4.農業従事者を増やす

 現在の日本では、農業就業者人口の減少と65歳以上の農業就業者割合が増加しています。 いすみ市においても例外ではなく、農地を手放す農家さんが増えて、当農園にその農地が集まっている状況です。 農地の担い手が不足すれば、耕作放棄地が増え、いすみの農地を守れなくなってしまいます。

 当農園ではいすみの農地を守っていく体制を整えるために、2021年から現在まで20代の従業員を4人雇い入れています。この短期間で若い世代の従業員を4人雇い入れることができた要因として、働き方を見直したことと同じ若い年代の従業員が多く在籍していることがあげることでできます。

 生き物が相手の農業界では休日を全く取ることができない場合や、月 6 日程度を休日としていることが多い業界です。しかし、当農園では完全週休 2 日制を取り入れています。また、農業と言えば高齢者というイメージで、農業に興味を持ちながら農業界に入ることをためらっていた人も、同年代の若い従業員がいることで、農業界に入りやすくなっているのではないかと考えています。 (当農園の募集要項はこちら)

 このように農業のイメージを少しずつ変えていくことで、農業従事者を増やすことができるはずです。そして、当農園で企画した田植え体験や稲刈り体験をした子どもたちや、安心安全アイガモ食堂でおにぎりを食べた子どもたちが農業に興味を持ち、将来の当農園の仲間や農業関係者として一緒に自然豊かないすみの土地を未来へつないでいけることを願っています。


終わりに

 以上の取り組みのように、いすみの土地を守るには様々な視点から考える必要があります。

 たとえば、 有機農業か慣行農業かという対立が起きがちですが、その前にいすみの農地を守るにはどうしたらよいのかを考える必要があります。有機農業は健康と農地に優しいですが、労力がかかるため生産者にとっては優しくありません。

 一方、慣行農業は有機農業と長所短所が反対になります。かなり難しいですが、いすみの農地を守っていくにはその両方の長所と短所を考えながらバランスよく取り入れていく必要があります。

 当農園の様々な取り組みでいすみの土地を守り、ひいては日本の農業を守ることにつなげていきたいと考えています。